風はどんな色をしているの?(1)

 唐の時代、劉禹端が雲居山で雨乞いの祈祷をし、その効果を得たことがあった。  その時、劉禹端が雲居山の道 禅師に尋ねた。
「雨はどこからきたのでしょうか」
禅師は答えた。
「あなたの尋ねた、その問処からきたのだ」
 それを聞いて劉禹端は早合点し、喜んで低頭した。また、西禅寺の平禅師は、役人と共に座って話しをしていたおり、急に「風はどんな色をしているか」 と尋ねた。役人は答えられない。
禅師は傍らに座っていた僧に尋ねた。その僧は着古した衣を摘んでいった。
「街で繕ってもらいました」と。
 端から思わせ振りな話で恐縮だが、この二つの話の回答には、天と地ほどの隔たりがあって面白い。一つは、劉禹端が早呑み込みをして本当のことなぞ露ほども分かっていないこと。もう一つは、この僧がすでに悟りの眼を具えた人物であることである。いらぬお世話かも分からぬが、道を学ぶものが、この二つの消息をスラスラと分かるようなら、いかなる事柄、いかなる存在にもくらまされる事なく、日日その場その場に応じて自由に対処することができるというものである。


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