「チュエンチュエンが消えた夜」高杜 一榮

 

上海フランス租界の遊廓に、雪玉(シエユイ)が売られてくる。その日から姐さん格のマド レーヌに仕込まれるが、彼女は次第に妓女(チイニョ)たちの悲惨な暮らしの中に生きる道 を必死に探して行く。店は西洋人が多く、シエユイはまもなく同じ年齢の子インインと共に マドレーヌのように働き始めるが、インインは過酷な暮らしの中で心の病となり、店として 使い物にならなくなってゆく。店主は阿片の吸引の店と娼館とあわせたような店を作り、イ ンインも雪玉も阿片の煙管を掃除する下働きをさせられる。上海の租界とその中の遊廓の雰 囲気は映画「覇王別姫」の一場面を参考にした。外国からの勢力に中国が押しつぶさそうに なる頃の上海を遊廓に生きる者の視点で描いた作品。




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「おれの水」高杜 一榮

 

「おれの水」


個人的にはお酒は嫌いではない。だがある事情でお酒の害の実態をまざまざと目撃するこ とになり、深酒を慎んでいる。アルコール依存症を目の当たりに見ると「これほど酷いと は想像していなかった」というのが、偽りのない感想である。末期になるとネズミのよう に逃げ回ったりするなど、麻薬中毒のような幻覚まで見るのだという。本人の苦しみは体 験していなければ想像できないほどだ。最後には飲みたいのは肉体だけで、本人は飲みた くないのである。それでも肉体は飲むのをやめない。まるで、アルコール依存症の霊魂に 体を占領されたようなもので、地獄以外のなにものでもない。主人公ユリアとその弟の真 之のお酒との闘い、お酒から解放された幸せを是非知って欲しい。今でも時々は飲むが、 飲む悪魔が肉体に宿る苦しみには、恐怖を抱いてしまう。泥酔したことがある方々には、 ユリアと真之が味わった地獄を知っていただき、自戒を促して欲しい。酒魔に足を取られ て、人生を壊さないように・・・。



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最終更新日2008年9月4日